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お料理を作り始めた時からひとつふたつと集まってきた器があります。
手仕事の跡が心地良く感じられるもの。
毎日の食事で使っているとある日、ふと目がとまります。
「この器、こんなに滋味深い色へと育ってきたのだと。。。」
それは人の手が作る器に不思議な魅力が宿るものだと気付かされる時でもあります。
作り手と出会い、モノ作りへの思いを知り、日々使うことで少しずつ覚えてきた器との距離。
食器でありながらそれ以上の何かを感じさせてくれるもの。
そんな器に出会える場所を作りたいと願い2001年うつわSouSouは始まりました。
器を楽しんでくださるお客様と、これからもご一緒に歩んでいけたらと思っております。
器を扱う者として、それらを美しく育てていくためのお手入れ方法をご紹介したいと思います。
焼物を大きく分けると陶器と磁器に区別されます。
●磁器 : 陶石を砕いてキメの細かな粘土にし、高温で焼成したもの。
ほぼ吸水性は無く硬質であるが、熱伝導率が高いので熱いものを入れると手に伝わりやすい。
●陶器 : 粘土を主原料とし、比較的低い温度で焼かれたもの。
様々な大きさの粒子が混じるのでそこに隙間ができ、吸水性をもつ。
土や釉薬に含まれる成分により豊かな表情をうみだすことができる。
*底の高台部分にざらつきがある場合は、キメの細かいサンドペーパーで磨く。
(釉薬が底全体までかかっているものには不向き。)
*器が完全にかぶる程度、米のとぎ汁(米糠を使用するとより効果的)を入れる。
弱火で15分ほど煮沸。
*冷ましてから器を取り出す。乾燥させた後、洗い流す。
大皿など、鍋に入りきらないものはとぎ汁に一晩つけ置く。
しかし、これだけでは十分ではありません。
例えば、洋服の素材が違うとお手入れ方法も違います。
シルクやカシミヤの服を洗濯機でガンガン洗うことはないですよね。
焼物も同じ。種類や個々の性質によって扱い方は変わってきます。
まずは、買ってきた器を水で濡らしてみてください。吸水性がどれくらいありますか?
コンクリートの地面に雨が降ると、最初水がすっとしみていきますよね。
しばらく降り続けると、水たまりができはじめます。
水分をいっぱいに含むとやがてそれ以上吸水できなくなってきます。
それと原理は近い。
お料理を盛る前に器を濡らす、もしくは水につけておくことで内部に水分が満たされ、汁気や油分がしみこみにくくなるのです。
毎回の「ひと手間」が美しく育てていく一番の秘訣です。
「その都度、こんなことをしなければいけないのか」と思われる方もいらっしゃることでしょう。
けれど不思議なもので、使えば使うほどその付き合い方は格段に楽になってきます。
ある程度使い続けていると粗い粒子の間は締まってくるので、お料理の種類に合わせて手間のかけ具合を加減することが出来始めるのです。
使った後はなるべく早く洗い、完全に乾かしてから収納してください。
水分が内部に残っていると、カビや匂いのもとになります。
また、なるべく似ている形のもの同士、1ヵ所に負荷が偏らないように重ねて収納することをおすすめいたします。
使ってこそ、器は道具として生きてくるもの。
おもてなししたい時にはとっておきの大鉢を使ってみる。
忙しくて手間をかけられない時は、磁器のお皿を取り入れてみる。
ゆっくりくつろぎたい時は愛用の急須と湯冷ましで丁寧にお茶をいれてみる。
その時その時・・・
まずは少しずつ器との距離を縮めていってほしいと思います。